サントリーHD、賃上げ表明【就活生も要チェックニュース】

みなさん、こんにちは!今回は、今日のニュース「サントリーHD新浪社長、賃上げ少なくとも3%」を読んで私が思ったことを記します。このニュースは就活生の企業研究・業界研究にも役に立ちそうだと思ったので、みなさんぜひご一読ください!

1.ニュースの概要

サントリーHDの新浪社長が決算の発表会見において、3%の賃上げを実施する考えを示しました。コロナで大変な思いをしてきた社員のために実施するとのことで、賃上げの内容については、基本給(月給)を向上させるベースアップではなく、一時金のアップ等を通じた年収ベースでの引き上げを検討しているそうです。新浪社長は以前にも、特に中堅社員を中心に賃上げを検討したい旨を示していました。

通常、春闘であれば、まず労働組合が賃上げを要求し、経営陣と折衝をするという流れで賃上げをするか否かが決まります。一方、今回のサントリーHDは、社長が賃上げをするという考えを公表しているということが特徴的だと思います。コロナで苦しい企業もある中でなぜサントリーHDは賃上げを検討できるのか、その要因を私なりに考えてみました。

2.なぜ賃上げできるのか?

①収益の拡大

賃上げを実施すれば当然人件費が増加となるため、その分収益が増加しているはずです。サントリーHDが発表した2021年12月期決算短信によると、売上収益が前期比8%台の増加、当期純利益が前期比20%近い増加となっており、前期と比較して収益が拡大していることがわかります。

さらに深堀りすると、国外向けの売上が好調となっています。サントリーHDの主力事業は飲料・食品や酒類です。日本国内はまだコロナによるまん延防止措置や自粛ムードにより、特に酒類の売上回復が遅れていると考えられます。一方、海外は多少感染者が出ても比較的楽観的な雰囲気に変わりつつあります。また、2021年秋ごろから円安傾向となっているため、輸出産業には売上拡大要因となっていることもあり、海外での売上が先に回復しているとみられます。

②岸田首相の発言

昨年11月、岸田首相は春闘における賃上げについて、3%と具体的な目標を示していました。今回のサントリーHDも3%の賃上げと示していますが、この「3%」という数字は、岸田首相の発言を意識した数字だと考えられます。

③従業員のモチベーションアップ

最初の記事の中でもありますが、社員のモチベーションを高め商品開発をさらに進めるために賃上げをすることが重要だとの考えを新浪社長は示しています。

ふりーでん
ふりーでん

私も給料増やしてくれたらもっと仕事頑張りますよ!

経営者の目線で見ると、一般的には賃上げは費用の増加となります。一方、次のようにとらえれば、賃上げは一種の先行投資として捉えることもできます。

賃上げ→社員のモチベーションアップ→新商品の開発→収益の拡大→賃上げ・・・

このように、賃上げという先行投資によってポジティブな循環に入れば、従業員の収入は増え、企業も利益を拡大できるというWin-Winな関係を築くことができます。このような狙いも新浪社長にはあると私は考えています。

3.このニュースからみなさんとみなさんと共有したいこと

①今は海外事業を抱えている企業が強い(かも)

まず1つは、国内事業と比較して海外事業の方が今は好調とみられるということです。コロナに関しては、海外の方が比較的回復が早いように思います。日本より感染者が多くても対策措置は緩和されたままという国も増えており、徐々に元の生活に戻そうという動きが海外の方が強いように感じます。また、円安というのも大きなポイントです。例えば、ある飲料を海外で1本1ドルで売っていたとします。1ドル100円だと、その飲料は円換算して1本100円の売上をあげることができます。一方、円安が進み1ドル115円となると、その飲料は円換算して1本115円の売上をあげ、為替要因だけで15円の売上増加となります。実際には海外での人件費等の費用も円安に合わせて増加するため、単純に「円安=売上拡大」とはなりませんが、一般的には、円安だと輸出産業が有利になります。この傾向が続くようであれば、海外事業を抱えている企業の方が収益は拡大しやすいといえるでしょう。

今は海外事業が強い要因

①アフターコロナ

②円安

②基本給ではなく年収ベースでの引き上げであること

今回のニュースでもう1つ気にしてほしいことは、今回の賃上げの内容が基本給のベースアップではなく一時金を含めた年収ベースの引き上げであることです。一般的には、業績がよいからと言って給料を上げたとしても、業績が悪くなったから一度上げた給料を下げることは従業員から猛反発を食らいます。特に毎月もらう基本給は一時金よりもその傾向が強いです。また、一時金はそもそも業績に連動して利益が多ければその一部を従業員に還元するというものです。今回、基本給の賃上げではなく一時金の引き上げを考えているということは、サントリーHDの経営陣は、

「今は業績が好調だけど、基本給を上げるほど続くかはわからない。業績が悪化した時に比較的下げやすい一時金の上昇がピッタリだ。」

のように考えているかもしれません。実際、コロナも今後どうなるかまだ不透明ですし、円安もいつまで続くかわかりませんし、まだ将来を楽観視できるような状況ではなさそうです。このような状況でも賃上げを検討してくれるのは従業員としてはありがたいですよね。

就活生
就活生

賃上げもしているし、良さそうな企業だな…。

ふりーでん
ふりーでん

一時金のアップだといつ下がるかわからないので、一応注意した方がいいかもね。

まとめ

今回は、サントリーHDの賃上げのニュースについて紹介しました。

まとめ

将来不透明な状況なのに賃上げを検討してくれる経営陣は貴重!

・今は海外事業の方が有利かも

・一時金はそのときの業績によって下がることもあるから注意してね!

以上、参考になれば幸いです。

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