みなさん、こんにちは!今回は、私が最近見た国民負担率についてのニュースについて、一緒に勉強していきましょう!
国民負担率が過去最大の見込ってどういうこと?
私たちの生活に関係あるの?
私と一緒に勉強していこう!
目次
1.国民負担率とは?
国民負担率とは、国民の所得に占める税金・社会保険料の割合のことです。国民負担率は租税負担率と社会保障負担率を合算して算出されます。また、国民負担率に財政赤字分を加えた潜在的な国民負担率という指標もあります。財政赤字は将来の国民が負担する税金・社会保険料によって賄われる分になります。
国民が公的サービス・福祉等にどれだけ負担をしているかを示していて、国民負担率が高いとそれだけ国民が多く公的なものに負担をしているということになります。
国民負担率は我々がどれだけ社会保障等に対してお金を払っているかを示しているんだね!
日本では、毎年2月頃に財務省が公表しています。2022年2月に公表された数値では、令和3年度(2021年度)の国民負担率は48.0%となり、令和2年度(2020年度)実績の47.9%を超え過去最大となる見込みとされたため、今回多くのメディアにニュースとして取り上げられました。今回の公表では、今年度となる令和4年度(2022年度)の国民負担率の見込も公表しており、こちらは46.5%と減少する見込みとなっています。
令和2年度 (実績) | 令和3年度 (実績見込) | 令和4年度 (見込) | |
---|---|---|---|
国民負担率 | 47.9% | 48.0% | 46.5% |
潜在的な国民負担率 | 62.8% | 60.7% | 56.9% |
2.国民負担率の増加要因
なぜ令和3年度の国民負担率は過去最大となったのでしょうか?その要因を租税負担率(税金)と社会保障負担率(社会保険料)に分けて分析していきます。
①税金
直近5年間 の推移 | 平成30年度 (実績) | 令和元年度 (実績) | 令和2年度 (実績) | 令和3年度 (実績見込) | 令和4年度 (見込) |
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租税負担率 | 26.1% | 25.8% | 28.2% | 28.7% | 27.8% |
租税負担率は令和2年度(2020年度)以降上昇しています。2020年といえばやはりコロナの影響でしょう。コロナの影響で苦しむ人々・企業に対しての援助に多くのお金が必要だったことがわかります。平成以降で最も高い時でも27.7%(平成元年~2年度)となっており、それを上回るほどの社会的なダメージだったことがうかがえます。
租税負担率はコロナの影響で負担が増しているんだね!
②社会保険料
直近5年間 の推移 | 平成30年度 (実績) | 令和元年度 (実績) | 令和2年度 (実績) | 令和3年度 (実績見込) | 令和4年度 (見込) |
---|---|---|---|---|---|
社会保障負担率 | 18.2% | 18.6% | 19.7% | 19.3% | 18.7% |
社会保障負担率についてもコロナの影響で令和2年度(2020年度)に増加していますが、租税負担率と比較して小さな上昇にとどまっています。また、令和4年度(2022年度)にはコロナ前の水準に近づく見込みとなっており、社会保障負担率についてはコロナの影響は限定的という見方ができると思います。
10年おき の推移 | 昭和56年度 (実績) | 平成3年度 (実績) | 平成13年度 (実績) | 平成23年度 (実績) | 令和3年度 (実績見込) |
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社会保障負担率 | 9.6% | 10.7% | 13.8% | 16.7% | 19.3% |
一方、少子高齢化に伴い、社会保障負担率は長期トレンドとしては間違いなく上昇傾向にあります。昭和56年度(1981年度)は9.6%だったのに対し、現在はその倍以上に負担が増しています。少子高齢化はすぐには解消されない課題なので、社会保障負担率は今後も長期的には増加する見込みとなりそうです。
社会保障負担率は少子高齢化によって負担が増しているんだね!
3.国民負担率の国際比較(日本は高い?低い?)
令和元年度(2019年度) の国民負担率 | 日本 | アメリカ | イギリス | ドイツ | スウェーデン | フランス |
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国民負担率 | 44.4% | 32.4% | 46.5% | 54.9% | 56.4% | 67.1% |
潜在的な国民負担率 | 49.8% | 40.7% | 49.7% | 54.9% | 56.4% | 71.5% |
結論から述べると、日本は国際的にはそこまで高くないという印象です。アメリカほど低くもないですが、ヨーロッパほど高くもないという感じです。アメリカは国民負担率が低い代わりに社会保障の充実度も低く、ヨーロッパは国民負担率が高い代わりに社会保障が充実している国が多いです。
社会保障が充実している国は、国民負担率も高くなるんだね!
まとめ
今回は国民負担率について勉強しました。
・国民負担率とは、国民の所得に占める税金・社会保険料の割合のことで、国民がどれだけ負担をしているかを表している!
・租税負担率はコロナ、社会保障負担率は少子高齢化が要因で上昇している!
・国際的には日本は高くも低くもない!
以上、参考になれば幸いです。