今回は、資格(簿記)と経理の実務の違いについてまとめていきます。経理を担当する上では簿記の知識は必須であり、資格を取得することも重要です。しかし、資格を取得すればよいというものでもありません。実務では資格とは異なる点がたくさんありますので、興味のある方はぜひご覧ください!
私自身は、学生時代に日商簿記2級を取得した後、社会人になってから経理の実務を担当しました。
そこで実際に感じたことを紹介していきます。
目次
1.どの勘定科目で計上するべきなのか判断するのが大変
資格試験ではある程度勘定科目が決められている問題や過去問と似た問題がほとんどですが、実務では実際に生じる取引をどの勘定科目で処理するか判断するのが難しいケースがあります。実務を長く担当していると、新たな取引が生じることがあり、その仕訳を検討する必要があります。
判断が難しい場合は監査法人に尋ねることもあります。
また、資産(動産や建物)を取得した時には耐用年数を調べる必要があります。試験では問題に耐用年数・減価償却方法が提示されている状態から減価償却費を算出しますが、実務では耐用年数も減価償却方法も調べ市販ソフトにデータを入力して減価償却費を算出することになります。
2.試験では合格点を取れればよいが、実務ではミスが許されない
当たり前と思われるかもしれませんが、仕事ではミスは許されません。試験では、
・勘定科目の選択ミス
・金額のミス
のようなミスをしても、合格点さえ取れればOKです。しかし、仕事ではそのようなミスは1つも許されません。
私の職場では、仕訳を入力したら必ず複数人で確認してミスを逃さないようにしています。
3.税務の知識も必要
会社によっては、日々の仕訳を入力する経理担当と税務申告の担当は分かれているところもあると思います。分担されているなら税務の知識は不要と考える方もいるかもしれませんが、経理の実務を担当する人も税務の知識が必須です。例えば、
・この取引は消費税の課税取引なのか、非課税取引なのか、はたまた不課税取引なのか
・会計上の費用と税務上の損金の違い
は知っておくべき知識だと思います。
私の場合、税務の知識は実務をやりながら覚えていきました。
(自分から勉強したというよりは、仕事で必要だから自然に覚えたという感じです。)
まとめ
今回は、資格(簿記)と経理の実務の違いについて紹介しました。
・勘定科目や資産の耐用年数などを調べるのが大変
・実務ではミスは許されない
・税務の知識も必要
以上、参考になれば幸いです。